版画等に描かれた原2

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[2] 富士三十六景 「原宿松林の富士」

 
徳力富吉郎 作  内田美術書肆版  昭和十五〜昭和十六年  横大判木版画

 富士山は古来より、多くの浮世絵師、絵師等により描かれて来たが、初代歌川広重と共に北斎描く「富嶽三十六景」は特に有名で、北斉芸術の集大成ともいわれるものである。
 原からの富士山の眺めは東海一といわれ、彼等は多くの優れた作品を残しているが、後世の画家、版画家達も原からの富士山を描いている。
 今回紹介する徳力富吉郎の「富士三十六景」は北斉の「富嶽三十六景」に準(なぞら)えて、三十六図の違った方面からの富士山を描き、これらの中には北斉と同じ場所からのものや同じ構図でまとめた富士山もあり興味深い。「原宿 松林の富士」は北斉にはない構図で、富吉郎は原の松林越の富士山を大きく描いている。場所は原西部の松林からと思われる。
 作画者徳力富吉郎は明治三十五年京都生れ、家は代々画家の家系で、本願寺絵所を預かる旧家で12代目に当る。土田麦僊の門に入り日本画を学ぶ、後木版画に興味を持ち、平塚運一、棟方志功等と同人誌「版」を刊行、高松塚古墳内の壁画の版画復元を完成、木版画の講習、後進の指導にあたり、京都創作版画運動の中心的存在。現代版画家の第一人者で、最長老である。

 
徳力富吉郎 作 「原宿松林の富士」

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