浮世絵に描かれた原 12

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 [12]  東海道五十三対 原

 
初代歌川広重画  天保十四年〜弘化四年  遠又(遠州屋又兵衛)版  名主印(村=村田)  竪大判錦絵

 前回紹介したこのシリーズは、本来、一宿に一図だけだが、原には前回と今回の二図が存在する。これは図に描かれている植松家が、特に広重か版元に依頼して製作した私家版(個人が営利などを目的としないで発行し、限られた範囲の人にだけ配布するもの)と思われるめずらしい物である。
 植松家は東海道の名家として、多くの文人墨客、公卿、大名等が訪れている。広重も植松家への訪問、交流があったかも知れない。この図には松林を背景に原宿の与右衛門、悪ものが描かれている。
 この図のモデルになっている与右衛門は、浮世絵の製作年から植松本家九代の植松与右衛門季敬と思われる。彼は応令の子で学山、蘭丘と号し、愛鷹牧士で、頼山陽、巻菱湖、岸駒等に師事したといわれる。
図の説明文には

「与右衛門ハ原宿の百姓なり 天性柔和尓(に)して情深く強きをくじきよ王起(わき)を助けあまたの荘園を持て其家富栄るといへどもいささかおごらず高ぶらず貧しき尓恵ミて業を勤む阿(あ)る時夜行(よあるき)して旅人(りょじん)をなやま春(す)悪漢(わるもの)をこら須此如(すかくのごとき)義勇挙(あげ)てかぞへがたし其の子孫今尓(に)栄えて連綿たり」

東海道五十三対 原

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