浮世絵に描かれた原 23

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 [23] 役者見立東海道五十三駅 東海道五十三次之内 沼津・原間 井出の里 河津三郎

 
三代歌川豊国画  嘉永五年十一月  住政(住吉屋政五郎)版  名主二印  彫 千之助   竪大判錦絵

 
三代豊国描く東海道物は非常な人気を呼び、宿と宿との間の新たな図柄が加えられた。
この新シリーズの一枚である「井出の里」には上部に浮島沼を前面にした井出の家並、反対側の道には旅する人々の姿が描かれている。
 下部の歌舞伎の主人公は河津三郎を描いている。河津三郎は曽我兄弟の父で、子の五郎、十郎は富士の巻狩で敵の工藤祐経の首を取り、父の仇を討った。
 浮島地区の地名が記された浮世絵は他には見受けられず当地にとり大変めずらしい一枚と思われる。
 どうして豊国が井出の里と河津三郎の姿をこの中に取り入れたかわからないが、察するに当地は頼朝の弟の阿野全成が館をかまえ、支配した所で、他に源氏にまつわる伝承(椎路、矢通り、首掛松、くつ屋敷、駒止の椋等)、水鳥の羽音に敗走した平家の話(浮島沼での出来事とも言われる)等があり、これらを念頭に描いたのかも知れない。このシリーズには他に沼津・原間小諏訪 勝頼、原・吉原間元よしはら 白酒売がある。

 

東海道五十三次之内 沼津・原間 井出の里 河津三郎

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