浮世絵に描かれた原 35

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 [35]  東海道中栗毛弥次馬 原の驛

 落合芳幾画 仮名垣魯文記 万延元年 當世堂(品川屋久助)版 横小判錦絵

 
このシリーズは十返舎一九の東海道中膝栗毛を摸して作られ、各宿には弥次さん、北さんが登場し、芳幾が二人のくりひろげる道中模様をユーモラスに描き、魯文が各宿のテーマとなる文章、狂歌一句と二人の会話をおもしろおかしく記している。
 原の図には、宿に着いた弥次さん、北さんに部屋の中から誘う宿場女郎と街頭で呼び掛る留女(とめおんな)の姿、それをからかう二人の姿がユーモラスな文章と共に描かれている。
 原宿の旅籠には幕末期宿場女郎はいなかったが、少数の飯盛女(食事の給仕をするという名目で旅人の相手をする女性)がいた記録がある。原の図は全般的な宿場での情景を描き込んだものと思われる。このシリーズは竪大判の絵の中に二図を描いた二丁掛というもので、原の上部に沼津が描かれ、それぞれに切り分けて鑑賞する事も出来た。
 作者の仮名垣魯文は本名を野崎文蔵といい、幕末、明治期に滑稽本作者として活躍、明治期に「西洋道中膝栗毛」等を著し、又当時の事件物を書き新聞界で活躍した。落合芳幾は幕末、明治初期の代表的浮世絵師で、名を幾次郎、歌川を名のり、一恵斉等と号し、錦絵新聞の挿絵等で活躍した。

 

東海道中栗毛弥次馬
 下段 原の驛 上段 沼津の驛(新居関所史料館 蔵)

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