浮世絵に描かれた原 42

戻る ホーム 上へ 進む

 [42] 東海道五十三次之内 原 せきすけ

 竪小判錦絵

 
この絵の中には署名、年印、出版元が入っていないが、絵の特徴等から三代歌川豊国の嘉永期頃の作と思われる。
 「せきすけ」(関助)は歌舞伎の「生写(しょううつし)朝顔話」 の中に出てくる主人公朝顔に仕える奴で、富士山・浮島ケ原の風景の下におどけた彼の姿が大きく写し出されている。
 一般に「朝顔日記」として知られるこの物語は、もと中国での話を題材にして書いた司馬芝叟の 「蕣(あさがお)」を脚色したもので、天保三年(1832) に初演された。主人公の瞽女朝顔の悲話を描き、特に「大井川渡しの場」が有名である。
 この浮世絵シリーズがどうゆうものかわからないが、多分彼の得意とする歌舞伎の主人公を描いたシリーズと思われる。又どうして「せきすけ」を原の図として描いたかは不明である。
 写真がなかった江戸時代、浮世絵師達は東海道を初めとする各地の風景、風俗や人々の姿を描き、これらを見る事により庶民のまだ見ぬ地へのあこがれと旅心をかきたてた。
 残された数多くのこれらの浮世絵を見る事により、当時の風景や様子を知る事が出来る。
 私の浮世絵シリーズに度々登場した三代歌川豊国は、歌舞伎の舞台、役者姿を数多く描き、彼の錦絵の中に描かれる普段見る事の出来ない人気役者の艶姿は庶民に大きな夢と楽しみを与えてくれた。

東海道五十三次之内 原 せきすけ

戻る ] ホーム ] 上へ ] 進む ]

戻る ] ホーム ] 上へ ] 進む ]