浮世絵に描かれた原 43

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 [43]  東海道五十三次はら 十四

 葛飾北斉画 享和二年 版元不明 横小判錦絵

 
北斉の東海道錦絵は16〜19で紹介して来たが、今回別の北斉の東海道物が判明したので、ここに紹介する。
 北斉の東海道五十三次錦絵は、大判の物は皆無で、その大半は横小判物で、景観描写に主眼を置いた初代歌川広重に対し、彼は旅の風俗や宿駅の風俗が主題で、特に同時期に出版され、庶民に大いにもてはやされた十返舎一九の「東海道中膝栗毛」を強く意識していると思われ、随所に弥次さん、喜多さんと思われる二人の男性旅人が描かれ、背景にもこの物語に沿った様な光景が見出される。
 このシリーズは横小判の中の右上部円の中の真中に太く東海道、 その両側に五十三次と各宿駅名を入れ、画面上下に源氏雲を描いている。このシリーズは北斉の東海道物の中では版行年代が最も早いもので、以後の彼の作品や広重等の東海道物の魁(さきがけ)をなす、めずらしい貴重な作品である。
 原の図は前々回に紹介した柏原を通り過ぎる時の狂歌、

″蒲焼のにほひを嗅ぐもうとましやこちら二人はうなんぎの旅"

を思い起す光景で、夫婦者と思われる二人がうなぎをさばき、それを焼いている店の前を通り行く弥次さん、喜多さんと思われる様な二人の男性旅人が描かれている。前には名物かばやきの看板が出ていて蒲焼の匂が伝わって来そうな光景である。

北斎画 東海道五十三次はら 十四 (西家 孝氏蔵)

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